兄さんはいつもいつも、夜中に外に出て私を心配させるんですから!そう!夜中に出かける兄さんがいけないんです!
だから、部屋に監視カメラを設置されるのも、制服に盗聴器をつけられるのもすべて兄さんが悪いんです!
決して、兄さんの寝顔や普段部屋で何をしているかや外で何をしているか、あーぱーとかカレーとかと会っていないかを知りたいわけではありません!
えっ?なに?言い訳はいらない?言い訳じゃありません!人聞きの悪い!全く!
「琥珀?取り付けは終わった?」
「はい〜。部屋の監視カメラは柱時計や箪笥に偽装させて設置いたしましたし、盗聴器はミクロン単位なのでまず気づきません」
「ご苦労様」
「あと、監視カメラの映像や盗聴器の音声は秋葉様の部屋に設置したノートパソコンで見聞きできるようにもしましたから」
「そう」
「では、私はまだ仕事がありますので」
「ええ」
「ではでは♪」
カチャ、パタン
「うふふふふふ♪これでいつでも兄さんの状況を把握できるわ」 「やっほー!さっちん」 「あっ!アルクェイドさん。こんばんわ」
なんか黒い波動を感じたと思ったら、秋葉だったのか。何してるんだ?
「・・・なんで、あなたがここにいるんですか?作者」
まあ、気にすんなや。俺だってたまには出たいんだ。昔、作者が出てくるマンガがあったろ?それと同じだ。 「これから志貴の家に行くんだけど、一緒に行かない?」
「まあいいですけど。邪魔はしないでくださいね」 「ええ!?こんな時間にですか!?」
髪を紅くして睨むな、怖いから。で、何してんだ?
「兄さんの監視ですよ。毎夜毎夜兄さんは外出しますから」 「こんな時間だから、よ。夜這いっていうのは深夜にするもんなんでしょう?」 「よ、夜這いってアルクェイドさん!?」
ああ、なるほど。ってプライバシーの侵害じゃないのか!?それ!?
「仕方ないじゃないですか。こうでもしないと、兄さんすぐ抜け出すんですから」
盗聴器はまだいいとして、部屋の360度四方に監視カメラを設置するのはどうかと思うが・・・
「些末な問題です」
うわ〜。言い切ったよ。
「それに、最近兄さんの衣類も何点かなくなってますし。その謎を解き明かすのにも役立つかと」 「シエルの奴はむかつくけど、あなたならいいと思って誘ってるんだけど?」
(さっちんかアルクェドかシエルのだれかだろうな〜)それにしてもだな・・・
「うるさいですよ?奪い尽くして差し上げましょうか?」 「行きます!行かせてください!」
はいはい。わかりましたよ。
「全く・・・あっ、兄さんが部屋に戻ってきました」
あっ、ほんとだ。レンや翡翠と一緒だな。あと、若干髪が濡れてるように見えるから風呂上りか?
「お風呂上りの兄さん・・・なんか妙に艶めかしいです。ハアハア」 「それじゃあ、レッツゴー!」 「レッツゴー!」
うわ!?息荒!?怖っ、マジ怖っ!百年の恋も冷めちゃうよ、これ!
「ハアハア、うるさいですね。兄さんのお風呂上りの姿ですよ!興奮しないほうがおかしいです!」
いや、お前のほうがおかしいだろ。どう考えても。んっ?志貴と翡翠なんか話してるぞ。声を拾えんのか?
「ええと、どれでしょう?これですか?」
カチ
「志貴様。なにやら姉さんが志貴様の部屋の模様替えをしたそうなので、気をつけてください」
「琥珀さんが?まいったなぁ〜。どんな仕掛けをしたんだろ」
めちゃ怪しまれてる。
「まあ、琥珀が動けば、何か細工をしているように考えるのは当たり前ですか」
まあ、策士って異名が似合ってるからな。確かに考えちまうな。
「まあ、多分大丈夫だよ。死にはしない・・・・・・・だろうから」
「志貴様。本当にお気をつけください」
「・・・うん。そうする」
・・・・・・死にかけたことがあるんだ。
「今回は監視カメラや盗聴器だけのはずです!・・・・・・多分」
言い切れないのかよ!?・・・やっぱ、なんか仕掛けてあるんかな?
「い、いえ!監視カメラなどの仕掛け以外には何もしないよう言いましたから大丈夫です!」
説得力皆無だな、おい。
「監視に戻ります!」
逃げたよ・・・。無責任だ。
「では、おやすみなさいませ。志貴様。くれぐれもご注意を。」
「ああ、おやすみ。ありがとうな、翡翠。心配してくれて」
「いえ。主人の身を心配するのはメイドとして当然ですから」
「それでもさ、心配してくれてありがとう」
「で、では。失礼いたします」
真っ赤っかだったねぇ?翡翠。可愛いったらありゃしない。あの姿を見たら、某監督なら間違いなく狂喜するな。って、秋葉?
「うらやましい・・・」
あー、ちょっと黒いものやら紅いものやらがちらちらと。とりあえず落ち着け。
「落ち着いてますよ」
髪が紅くなってるのに落ち着いてるわけないだろう!熱っ!略奪すんなや!力を抑えろ!
・・・しばらくお待ちください・・・
ごふっ、げは・・・と、とりあえず落ち着いたみたいだな・・・
「最初から落ち着いてますって」
人から散々略奪しといてよく言う・・・おっ、志貴がなにやら取り出したぞ。・・・猫じゃらし?
「ほらほら。レン」 「ふふふ、いつも窓から侵入するなって言うから、正面から堂々と入ってあげたわ!」 「こんばんわ〜」
シュッ、シュッ
「にゃ!にゃ!」
微笑ましいぃ。んっ?黒い波動を感じる。はっ!
「うらやましい、うらやましい。兄さんにかまってもらえて・・・」 「さあ、志貴の部屋までレッツゴー!」 「う、うん。そうですね!」
また紅くなってるーーー!?とりあえずこれを視て落ち着け!
志貴のマル秘写真 by琥珀作
「こ、これは!?・・・大丈夫です。落ち着いてますよ、私は」
鼻血垂らしながら言うなよ・・・
「ほらほら〜」
(秋葉じゃないけど、嫉妬してます。志貴に。)←猫好き
「長いですね。このやり取り」
長いな〜。おっ、やっと終わったみたいだな。
「う、う〜ん。そろそろ寝るか?レン」 「普段、窓から侵入してたから志貴の部屋の位置がよくわからないわねぇ〜」 「多分こっちだと思います」
「に〜」
「よいしょっと」
寝るってよ。この辺でいいんじゃないか?監視は。 「なんで?」 「だって、志貴君の匂いがするから」 「匂いって・・・」
「いえ。ここからが本番です」
いや、志貴寝る言うてるし、これ以上はいらんだろ。
「いいえ!兄さんはこう油断させて外出するつもりなんです!だから最後まで監視し続けなくてはいけないんです!」
ちょっ!?待て!今は見るな!志貴、寝巻きに着替えてるんだから!おい!近い!画面近い!息荒くすんな!おい、ちょっとまて!略奪しようとす・・・ギャー!
・・・またしばらくお待ちください・・・
がは、げふ・・・自分じゃなかったら死んでたぞ・・・
「人の邪魔をするからです!」 「何か奥の方がうるさいな〜」 「そうですね」
そりゃ邪魔するだろ!男の着替えを覗くな!
「覗きじゃありません!監視です!」
屁理屈炸裂!?
「全く!」
こっちが言いてえよ!まあとにかく、志貴が寝静まったぞ。もういいんじゃないのか?
「ハアハア、兄さんの寝顔。すごく可愛いです、ハアハア」
いや〜〜!また鼻息荒くしてるよ!この人!
「ハアハア、もう我慢できません!兄さんの寝込みを襲ってきます!」 「ここかな?志貴の部屋」 「ここです!ここから志貴君の匂いが!」
何言ってるの!?この人!
「待っててください!兄さん!ただいまそちらに逝きます!」
どこに逝くつもりだーーーー!?
ガチャ!ダダダダッ!
行っちゃったよ・・・
「あ〜。やっぱりこうなりましたか〜」
あれ?琥珀?何して・・・・・・ああ、見廻りか。
「はい〜」
で、やっぱりって?
「秋葉様ほどのブラコンが、志貴さんの寝顔やら何やらを見てて我慢できるわけないじゃないですか」
それもそやね。じゃあ、秋葉をたきつけるのが今回の仕掛け?
「まあ、そうですね。でも、志貴さんの貞操は渡しませんが」 「あれ?妹。何かすごい速度でこっちに来てるけど・・・」
どかーーーーーーーーーーん!! 「にゃーーーーーーー!?」 「うわーーーーーーん!」
うお!?なんだ、なんだ!?
「志貴さんの部屋に通じる廊下に特殊な地雷を仕掛けときました。興奮状態の秋葉様が通ると起動する仕組みです」
・・・・・・策士やね。って、どこ行くん?
「志貴さんのお部屋に♪」
マジで策士だよ。あんた。
「ではでは♪」
今朝方、秋葉とアルクェイドとさっちんが黒焦げの状態で見つかった。 「私たちってこんなオチに付き合わされるために出されたんでしょうか?」 「あーーー、でしょうね」
また、志貴のベッドに琥珀がいて、それを翡翠が見て、二人を咎めてたりするシーンがあったとかなかったとか。
あとがき
どうも、こんにちわ。MHPです。今回の話は秋葉を壊したギャグです。これを書く前は、妹ネタで書くつもりだったんですけどなんか書くたびに鳥肌が立ったのでやめました。
志貴の部屋に監視カメラや制服に盗聴器。秋葉ならやりかねませんね。志貴にプライバシーもくそもあったもんじゃないですね。さて実は今回も反転して読む文があります。
これを読めば、なぜアルクェイドとさっちんが黒焦げなのかがわかります。あと、遅れましたが(前の作品で言えばよかったんですが)四周年おめでとうございます。
私も「七歴史」や「七歴史余話」などを楽しく読ませていただいてます。志貴と士郎強すぎですね。でも、女性に弱いのは相変わらずか(笑)。
士郎が白レンのマスターになる作品は始めて見ました。これからもがんばってください。では、このへんで。MHPでした。
管理人より
今回は秋葉ですか。
見事なぶっ壊れぶり、見事なブラコンぶりに感服します。
それにしても・・・オチの為に黒焦げにされたアルクとさっちんに改めて合掌。
最後ですが誤字ありましたので修正して置きました。
アルクェド→アルクェイドです。